間違いだらけの管楽器奏法

夕方からジャム音楽学院で仕事。今日は新しい生徒さん。ちょっと考えさせられる時間に、なりました。


吹奏楽やっているらしいので、とりあえずは音は出るのですが、指導されている先生が、バイオリンの指導者なので悲惨です。未だに「口にゆで卵を入れたような状態で」とか、言われているらしいです。

僕も小中学生の頃は、言われた覚えがありますが・・・。要は西洋人の骨格に基づいた奏法で、歯の噛み合わせがモンゴロイドな私達には、無理ですね。喉を開けるという意味では、納得できますが、息のスピードが作れません。

「お腹で腹式呼吸しなさい」も無理です。お腹に空気は入りません。肺呼吸してください(笑)。横隔膜は付随筋で自分の意識ではどうにもならないので、腹筋やら背筋を使いましょって事。

「姿勢正しく、ベルは上向き」って、体が緊張しちゃって息できませんが・・・。

説明不足だし前時代的な指導です。何世紀も前に書かれた教則本の金字塔「アーバン」がメチャクチャに翻訳されたのが、日本金管楽器界不幸の始まりなんですが。非常に有益な教則本である事に変わりないのですが、それを鵜呑みにする現代金管楽器奏者は皆無です。実際、僕も練習していますが、何を言っているのか、翻訳を無視して、ちゃんと考えないと、逆に無駄です。単に、指導者の勉強不足なのでしょうね。米国のように、レッスン専門のプロが存在しない日本では、ありがちです。ちゃんと体系化された指導法を持たずに、行き当たりばったりの助言で、暗黒世界に呑み込まれる子羊の、なんと多いことか・・・。

某巨大音楽教室企業では、ネットレッスンを始めたと話題になっていたりしますが、あそこの指導者も、ロクなもんじゃないし・・・。タンギングも未だに「トゥトゥ」なんて教えちゃっているしさ。「T」と「ト」の発音は違うという基本的な英会話のレベルで、間違っていますよ。近代奏法の研究もロクにしない指導者が音楽教育を牛耳っている限り、未来は無いと思われ。

2006年03月13日 (月) at 23:05



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