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このカテゴリへのエントリ数: 最終更新日時: 2010-03-20 17:43 |
ホテル・ルワンダアカデミー賞各部門にノミネートされた映画なのですが、日本の大手配給会社は「社会性が強すぎて、動員が見込めない」と見向きもしなかった映画。 ルワンダと映画を愛する「自称・映画バカ」ミズキ・ユータさんが、Mixi から始めて、様々な人々を巻き込みつつ、公開に辿り着いた、曰く付きの映画です。公開までのブログ『ホテル・ルワンダ』公開まで続ける活動日誌も興味深く読ませて頂きました。 1994年、ルワンダのフツ族出身の大統領飛行機撃墜事件をきっかけに、フツ族によるツチ族に対する大量虐殺事件が起きました。隣人を監視し、殺し合い、約100日間で、ルワンダ国民の100万人が虐殺されたという紛争。 たった12年前の出来事。この事実を、知らない人が多いのに驚きました。僕自身は、1998年のNHKスペシャル「なぜ隣人を殺したか〜ルワンダ虐殺と煽動ラジオ放送〜」という番組で、事件の詳細を知り、ショックを受けた覚えがあります。ラジオ DJ にもインタビューしていたり、かなり深い取材がなされていて、今でも印象に残っています。小さな村で、ナタで襲撃を受けたという被害家族の証言を聞いて、にわかには信じられなかったものですが、映画の中でも、ラジオ放送とナタが、象徴的に出てきていて、「あぁ、本当のことだったんだ」と再び衝撃を、受けてしまいました。 集団の狂気、一種の集団催眠状態なんですが、NHKのインタビューの中でも、「悪びれていない」ラジオ DJ に薄ら寒いものを感じました。ナチズムのユダヤ大量虐殺と同じ根っこが、有るんでしょう。人間は、なんと愚かな存在なのかと、考えさせられます。 「ホテル・ルワンダ」では、四つ星ホテルの支配人(ドン・チードルなんですが、いい役者です)の家族愛と人間の尊厳を描いていくわけですが、アフリカの小国に見向きもしない白人大国社会に対しての、個の力強さを感じました。なにしろ、1200人の難民を、1人で守るわけですから。「シンドラーのリスト」のアフリカ版です。国連軍のニック・ノルティもベテランらしく、いい感じでした。ミル・コリンのフランス親会社社長のチョイ役でジャン・レノも意味無く出ていたり。 CINECITTA川崎で、観てきましたが、入りは1/3程度で、残念な感じでした。派手なアクションも無ければ、特撮も無い、地味な社会派ムービーですが、じわりと効きます。是非観るべき映画だと思います。 あと、アフロミュージックの力強さにも、感動しました。音楽は極めて控えめなものなんですが、冒頭の町中で聞こえてくるアフロビートは、格好良かった。あんな、素晴らしい音楽文化を持っている民族が、この悲劇を起こすとは・・・。 いつか行って、実際に感じてみたいとも思いました。 |