殺し屋シュウ/野沢 尚

衝撃の自殺から、もうすぐ1年になりますか・・・。これ程までに「生きろ」と訴える小説を書いていながら、何故?という気持ちが、ふつふつと、わき起こってきてしまいます。


殺し屋シュウ

「急逝した著者がハリウッドで映画化を夢見た幻のシリーズ」という帯が、哀しい。ハリウッドは、いくら何でも無理でしょうが、いかにも脚本家「野沢」らしい、映像向きな作品です。短編という形でストーリーが進んでいくので、1話完結な連続ドラマのよう。場面展開もスピーディーで、あっという間に読んでしまいました。

大学研究室助手の殺し屋シュウ。決して、格好良くない殺し屋です。優しすぎて、拳銃の引き金ひくまで、逡巡する思い。他人の命を止める行為に耐えられなくて、バーで飲んだくれる。冷徹でスマートな、ゴルゴみたいにはいきません(笑)

どんなに、困難な状況に陥ろうとも、生き抜き、「他人のために生きろ」という、強い意志を感じます。守るべきものを見つけた「殺し屋シュウ」の成長した姿を、もう読む事は出来ないのだなと思うと、残念でなりません。

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間違えて、jazz people にトラバ打ってしまいました・・・ごめんなさい。

2005年05月26日 (木) at 16:26



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