流星ワゴン/重松 清

リストラ、息子の家庭内暴力、病気の父との確執、妻は浮気・・・。どうしようもなく、どん底な38歳のお父さんは、死んじゃおうかなって、考えるのですが。不意に目の前に止まった、ワインカラーの不思議な魔法のオデッセイに乗せられて、過去にタイムスリップする・・・という、荒唐無稽な、お話。


流星ワゴン

人生には、様々な分かれ道が、気づかないところに存在しているものです。現在の自分が、「大切な場所」にタイムスリップして、やり直せるとしたら、どうするだろう?と、かなり後ろ向きで、好きじゃないテーマなんですが。ここに登場する3組の親子(全て父と男の子なんですが)の関係は、身につまされますね。僕は父親になった事がないので、子供の方の気持ちですが。

逃げ出す事ばかり考えていた主人公が、父とやり直しの人生を送る事と、ワゴンに乗る親子との交流を通して、生きる勇気を取り戻していく心情の描き方は、この著者の真骨頂でしょう。なかなか独特な雰囲気で、心に染みます。

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2005年10月19日 (水) at 12:39



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