顔に降りかかる雨/桐野 夏生

女探偵「ミロ」シリーズの1作目。第39回江戸川乱歩賞受賞作。


顔に降りかかる雨

ミロシリーズを読みなおしてみたり。ストーリーも結末も、すっかり忘れていた・・・。

バブル崩壊直後、1億円と共に消えた友人を捜すお話。例によって黒いお金だったり。新宿2丁目の住民達が、活き活きと描かれていて、地べたを這う新米女探偵が、身近に感じられます。職業も人種も性も超えた「個」としての「ミロ」が、ここに始まった訳で、成瀬とのロマンスも「恋愛」ではなく、「葛藤」として描かれるあたりに、潔さを感じます。「ローズガーデン」で、ミロと夫、父との衝撃的な関係を、理解した上で読むと、深い心情まで、理解できます。

ハードボイルド小説としては、パンチが少なくて、大きな仕掛けもなく、淡々と進んでしまい、イマイチだったり。読んでいて、真犯人にも、薄々感づいてしまいますしね。

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2006年04月07日 (金) at 16:28



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