LAST/石田 衣良

ラストというコンセプトの短編集。


  • LAST RIDE(ラスト ライド)
  • LAST LAST JOB(ラスト ジョブ)
  • LAST CALL(ラスト コール)
  • LAST HOME(ラスト ホール)
  • LAST DRAW(ラスト ドロー)
  • LAST SHOOT(ラスト シュート)
  • LAST BATTLE(ラスト バトル)

救いようがない程、悲劇的な結末を迎える7編です。ダークです。バブル崩壊後の混沌とした現代の暗部といった所。基本的には、経済苦の中から「一発逆転」の大博打にでるというモノなのですが、それだけに、リアルで、誰にでも起きそうな題材なので、読んでいて、またまた暗くなってしまったりします。

ぎりぎりまで、追い込まれた主人公の(必ずしも、主人公だけではない)最後の一閃を描いているわけです。「窮鼠猫を噛む」の、ことわざ通り、追いつめられた人間の決断には、どんでん返しを巻き起こす力強いパワーが秘められているのです。大体が「普段から、そうやって生きろよ!」って、ツッコミを入れたくなる、情けない連中の、お話なんですがね。

しかし、結末のその後に期待を持たせる描き方は、作者の「やさしさ」なのかな。完全な暗黒小説とまでは、いかないのです。最近はワイドショーやニュース番組のコメンテイターを、やっていたりしますし、本質は良識者なのですな。

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2006年05月18日 (木) at 12:24



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