第三の時効/横山 秀夫

警察小説の第一人者とも云うべき(半落ちの原作の方が有名か?)横山 秀夫氏ですが、本作は違った角度だったりします。


  • 沈黙のアリバイ
  • 第三の時効
  • 囚人のジレンマ
  • 密室の抜け穴
  • ペルソナの微笑
  • モノクロームの反転

これまでの警察官僚、警察管理職のサスペンスから、一歩踏み出して、というか、振り出しに戻って、王道の刑事モノです。事件捜査現場が、中心の短編集。といっても、地方F県警の強行班3班が、それぞれ覇権と手柄を争い、いがみ合うといった所は、警察内部事情の暴露っぽくて、黙っていられなくなる輩も、六角橋周辺には居るハズです。そして、緻密な捜査と、独特の嗅覚と、感性で、予想外の解決を見るプロットの練り具合は、圧巻です。

ひと癖も、ふた癖もある刑事達が、見せる「優しさ」が、わざとらしかったりします・・・。特に「囚人のジレンマ」でのラスト。ひねくれ者でしょうか。この土臭いダンディズムと、人間くささが、地方県警シリーズの魅力のひとつではあります。

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2006年06月08日 (木) at 00:15



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