淋しい狩人/宮部 みゆき

下町の荒川土手下にある古書店が舞台の短編集です。


  • 淋しい狩人 (新潮文庫)image
  • 六月は名ばかりの月
  • 黙って逝った
  • 詫びない年月
  • うそつき喇叭
  • 歪んだ鏡
  • 淋しい狩人

「詫びない年月」は、今なお残る東京大空襲の傷の話で、それ以外は本にまつわるストーリーになっています。店主イワさんが、探偵顔負けの鋭い推理を展開します。大掛かりでドキドキな仕掛けは無しで、淡々としたストーリー展開です。

起きる事件は児童虐待や殺人事件だったりして、殺伐とした内容なのですが、下町情緒と古本の匂いまで感じ取れそうな描写、孫の稔とのやりとりに、ほのぼのとした雰囲気が満ちています。ストーリーに、さりげなく本を絡ませてくるやり方は、ニクイです。

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2007年12月19日 (水) at 13:28



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