最悪/奥田 英朗
まわりに、こういう最悪なヤツらって、いるでしょ?え、僕?しまった・・・。
群像劇的犯罪小説。 鉄工所の中年社長。女性銀行員。街の若僧チンピラ。3人の日常は、これでもかって、最悪な方向に転がり続ける。ホント、気が遠くなる程に、不幸です。笑っちゃいます。
淡々と、日常を語る前半で、なんで此奴らは、こんなにバカなのか?って呆れつつ、共感も覚えてしまう小市民な僕。オチは手に取るように、判っちゃうのも、悲しいくらいに最悪・・・。中盤から、3つのストーリーが、収束していく様は、まさにジェットコースター・ムービーさながら。映像化されても、面白いんじゃないかな。
リアリティある描写のなかでも、小説としての大胆な構成も、盛り込まれていて、楽しめました。ありえなーい!なんてツッコミが、ひとつもない小説なんて、つまらないでしょ?
写真クリックでAmazonで購入!