Songbook/Kenny Garrett

一時期、日本の若手を聴くと、全員ギャレットみたいで、少々辟易してしまい、意識的に遠ざけていました。でも、血湧き肉躍る、熱いアルト奏者なのは、確かです。ギャレットの名盤として、評価の高い一枚です。
というより、このアルバムの核となっているファクターは、間違いなく、ケニー・カークランドです。この録音の1年後に、43歳という若さで、他界してしまいました。「最近、ケニー見ないなぁ」って、クィーンズのアパートに様子を見に行ってみたら、薬やりすぎて死んでいたっていう(しかも、一週間ほど放置・・・)ロクデナシの典型だった、天才です。1998年にスティング・バンドを離れてから、セッションマンとしての活動が主で、サイドマンとして膨大な数の録音(しかも名盤)が遺されていますが、その間リーダー作が、無いのが悔やまれます。
新伝承派の、お手本のようなモード手法の、「Two Down & One Across」ですが、告白しますと、どうしても、ギャレットの吹き散らす感じの音が、好きになれない・・・。カークランドとジェフ・ワッツのスイング感には、のけ反りますね。
「November 15」は、ミドルテンポで、いなたく行こうとしているんですが、音のバランスが、良くないんだよなぁ。ベースのナット・リーブスの輪郭も、はっきりしない。
「Wooden Steps」は、ウディ・ショウに捧げた無国籍風マイナーブルース。4ビートに突入してからが、スゴイ。光速に突入です。盛り上がって、走りまくっています。勘弁してくれ。カークランドのキレっぷりも見事です。参りました・・・。
このアルバムのハイライトとも言うべき「Sing a Song of Song」は、キャッチーでポップな、美しいメロディーが魅力です。後の民族音楽への傾倒が、垣間見られるギャレットのソロも印象的です。
「Brother Hubbard」は、軽くファンク乗り8ビート。エンディングのブッ飛んだギャレットに、いぇい。
「Ms.Baja」は、ポップなボサ。叙情的なカークランドの音楽性の一面を聴くことが出来ます。
ブルージーな雰囲気の「House That Nat Built」は、単調なメロディーで、徐々に盛り上がりを見せるトランス。例のギャレット叫び系ソロは、必聴です。
優しいメロディーラインのバラード「She Waits for the New Sun」では、ガシガシ系でないカークランドの芳醇なソロをフューチュアしています。シビレます。
マイルスに捧げたバラード「Before It's Time to Say Goodbye」は、果てしなく美しい。
「Sounds of the Flying Pygmies」は、軽快なバップナンバー。ジェフ・ワッツが、暴れてます。
- Two Down & One Across
- November 15
- Wooden Steps
- Sing a Song of Song
- Brother Hubbard
- Ms.Baja
- House That Nat Built
- She Waits for the New Sun
- Before It's Time to Say Goodbye
- Sounds of the Flying Pygmies
- Kenny Garrett(as)
- Kenny Kirkland(p)
- Nat Reeves(b)
- Jeff "Tain" Watts(ds)
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