The Company I Keep/Art Farmer
トム・ハレルとの競演盤です。火の出るような、脳天気な野獣ラッパバトルとは無縁の、リリカルなセッションです。う〜ん、オトナです。

元々、フリューゲルを吹くことの多いファーマーでしたが、晩年は、自身の開発したトランペットとフリューゲルの、あいの子、モネット製「フランペット」なる楽器を愛奏していました。コルネットみたいな感じですが、もっと音の柔らかい独特の音です。一聴すると、古楽器みたいな枯れた音色です。
そんな、ファーマーが「トム・ハレルと演りたい」と言い出して、録音した CD です。この2人のサウンドカラーからすると、納得します。引き合うモノがあるんでしょうね。ロン・ブレイクを加えた3管編成で、厚みのあるアンサンブルに仕上げています。
ハレル作の「Sunshine in the Rain」は、軽快な4ビートです。天気雨ということで、清々しいバップナンバーです。珍しく先発ソロのハレル。流石なラインを披露しますね。バッキング陣のプッシュもスバラシイと思ったら、あぁ、ケニー・デイビスとカール・アレンだったんですね。新進気鋭の新人だった頃のロン・ブレイクのソロも流麗です。続く御大の中音域中心に朗々と歌う、いなたいソロに圧倒されます。
これまた、レイ・ブラウンの秘蔵っ子として、売り出し中の新人だったジェフ・キーザー作の「Song of the Canopy」ですが、ソプラノに持ち替えての3管アレンジが絶妙です。ファーマーのソロの後、ブレイクのソプラノなんですが、いまいち音色が、きつい感も。ハレルは、絶好調です。
超絶技巧ピアノイントロからのアップテンポな「Santana」の、ハレルは必聴です。こんなに調子良い録音は、みっけモノです。ジェフ・キーザーのソロも強力です。テクニシャンですね。が、ピアノの調律おかしくないですか?
ハレル作のボサノバ「Beside Myself」を、ファーマーのフランペットが、朗々と歌い上げる興味深い録音。ホントに独特の音色です。
デイビスのワルツバラード「Beyond」は、ファーマー得意のヨーロピアンテイストです。長い音符で内省的に迫ります。
「Too Good to Title」は、それほど有名なわけではないですが、エリントンナンバーです。スマートな3管アレンジで、正統派なミドルテンポの4ビートです。
デイビスの「Who Knows」は、フロント陣とベースの対比とバップラインのハーモナライズが決め手。デイビスの安定感のあるソロが聴けます。複雑なテーマアレンジで煙に巻き、ソロパートでも8+8+8+11という変則バースで、自虐的な傾向の強いハレルも熱いソロを披露します。
エヴァンスの「Turn Out the Stars」は、管楽器奏者にしては珍しい選曲です。Alex Sipiagin の「
Returning」で演っていたくらいしか思い当たりませんが。情緒的なアンサンブルです。
- Sunshine in the Rain
- Song of the Canopy
- Santana
- Beside Myself
- Beyond
- T.G.T.T.(Too Good to Title)
- Who Knows
- Turn Out the Stars
- Art Farmer(tp)
- Tom Harrell(tp,flh)
- Ron Blake(ss,ts)
- Geoff Keezer(p)
- Kenny Davis(b)
- Carl Allen(ds)
- Rec.Jan.11,12.1994.
- Arabesque
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