Pilgrimage/Michael Brecker
時の経つのは早いもので、もう7月。亡くなったのは正月明けだったのですねぇ...。

「マイケル・ブレッカー特集号」を読んでいたり、どうもマイケルの遺作としての印象が強い中で聴いてしまう先入観のせいか、バンドサウンドとしては、パット・メセニーが出過ぎな感もしてしまいます。全編ユニゾンでなぞる雰囲気はマイク・スターン=ボブ・バーグの双頭バンド風です。ピアノはブラッド・メルドーとハービー・ハンコックなので、聴いていると違いが一目(聴)瞭然で面白いです。
やはり2年の闘病は、練習の虫だった彼の音に影を落としています。ちょっと音が痩せちゃったなぁ...。1曲目で怪しい場面もチラホラあって。orz
とは言ってもこのメンツで渾身のアルバムなわけですから、高水準なのは間違いないのです。全曲マイケルのオリジナルでアグレッシブなサウンドです。この鬼気迫る演奏を聴きながら「メンバーは何を思ってドナーも見つからない闘病中のマイケルの音と向き合っていたのだろう?」なんて感傷的な事を想像してしまうと、泣きたくなります。
EWI を、かぶせたテーマの「The Mean Time」はパワフルです。変態メロ炸裂。録音の加減なのか、テナーが前に出てこないのが残念です。ジャック・デジョネットの手加減無しの煽りがスゴイです。
「Five Months from Midnight」はドレムレスでのテーマながら複雑な旋律を空間的で自由度の高い演奏に仕立てるのはブラッド・メルドーの威力か?ソロでも意外な音選びです。マイケルのソロは素晴らしいの一言。
「Anagram」はマイケルらしいメカニカルな曲です。バッキングのリズムが難しそうで指がつるんじゃないかと心配です(笑)。マイケルのフラジオ連発でイエーィ!メセニーが珍しくブルージーでジャジーだったりします。メルドーのソロは右手だか左手だかよく分からん変態プレイ。
「Tumbleweed」はラテンファンク色の重いビートの曲。ジョン・パティトゥッチの音がいい!曲の途中で誰か唄ってますが誰だ?ギターシンセソロで一気にメセニー色に染まります。マイケルのソロ入りが見事ですね。内容もお得意フレーズ満載でノリノリで吹きまくっています。メルドーもアグレッシブな変態ソロ。
バラードの「When Can I Kiss You Again?」の曲名は闘病中の無菌室で息子に言われた言葉だそうです(´Д⊂グスン。バスクラが入っているけどマイケルなのかな?こういうリリカルな曲はハービーですねぇ。異様に盛り上がるマイケルのソロがカットアウトした瞬間の無音に心が締めつけられます。
「Cardinal Rule」はパティトゥッチのソロの後、メルドーとマイケルのバトルです。我が道を行くメルドーなので、いまいち盛り上がりません。
「Half Moon Lane」は、ゆったりとしたメロディーが和みます。マイケルお得意の細かいフレーズで紡ぎ出すメロディアスなソロはスバラシイ。
「Loose Threads」は、ストップ&ゴーのキメキメで面白い曲想。マイケルは徐々に盛り上がり高速フレーズの合間にうなり声が入る入魂のソロ。続くハービーも強力にぶっ飛んでます。
表題曲「Pilgrimage」はハービーのエレピが効いたスケールの大きな曲想からスタートします。インテンポでメロディアスなテーマが奏でられます。ハービーのソロは奇数連符連発で逝っちゃってます。メセニーは、こういう雰囲気がピッタリかな?マイケルのソロは EWI です。流れるようなスムースさです。徐々に盛り上がり大ユニゾンでエンディングです。
pilgrimage - goo 辞書
巡礼の旅; 長途の旅; 人生の行路; 巡礼する.
日本盤は「聖地への旅」という邦題タイトルです。マイケルとしては、復帰1作目として旅の始まりだったハズ。音色やフレージングには、全体的に不完全な印象があります。真面目な彼の事ですから、病床でアルバムの反省、次回作への構想を考えていたことでしょう。それにしても、この内ジャケの笑顔は悲しすぎます...。
本当に、いなくなっちゃたんだね。合掌。
- The Mean Time
- Five Months from Midnight
- Anagram
- Tumbleweed
- When Can I Kiss You Again?
- Cardinal Rule
- Half Moon Lane
- Loose Threads
- Pilgrimage
- Michael Brecker(ts,EWI)
- Herbie Hancock(p)1,5,8,9
- Brad Mehldau(p)2,3,4,6,7
- Pat Metheny(g)
- John Patitucci(b)
- Jack DeJohnette(ds)
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