Roots and Herbs/Art Blakey and The Jazz Messengers
何故か、録音から10年近くの1970年までの長い間、お蔵入りになっていたアルバム。
リー・モーガン、ウェイン・ショーターのフロント黄金期の1枚です。全曲ショーターのオリジナルで、抽象絵画のような独特の音世界が展開されます。印象的なメロディーと、練られたコード進行で、ストーリー性もあふれる秀逸なアレンジです。難解なイメージなので、売れないと思われていたのでしょう。この時期のモーガン+ショーター2管ものは、お蔵入りが多かったです。しかし、これ以降の3管メッセンジャースサウンドに拡張していった分岐点として、聴き応え充分です。
「ピンポン」です。なんといっても、エンディングのモーガンの男らしさは、永遠の憧れでしょう。
表題曲「Roots & Herbs」は、メッセンジャースお得意のシャッフル系ブルースです。ブレイキー独特の、前のめりなドラムが、効きます。ショーターも妙な音で良い感じ。
変型ブルースの「The Back Sliders」は、ファンキー路線でありながら、ちょいと、ひねってみました的な。
「United」は、ショーターらしい、不思議な雰囲気の曲です。コードレスのテーマ部は、パーカッシブな旋律。ソロ部コーラス終わりのコード進行が泣ける。と、思ったらウォルター・デイビスがピアノだった。いなたい。ラテンパーカッションの鳴り響くドラムソロは、来日公演の「A Night In Tunisia」のビデオを思い出します。
軽快なスイングナンバー「Look at the Birdie」の起伏のある曲調は、アレンジの腕が光ります。
クラシカルな響きと、クリシェのハモりが特徴的な「Master Mind」です。快調なスイングで、調子よく飛ばすモーガンに対して、ショーターは、よく言われる「もう一息!」状態です。ま、これが「味」なんですけどね。
- Ping Pong
- Roots & Herbs
- The Back Sliders
- United
- Look at the Birdie
- Master Mind
- The Back Sliders (Alt. Version)
- Ping Pong (Alt. Version)
- United (Alt. Version)
- Lee Morgan(tp)
- Wayne Shorter(ts)
- Bobby Timmons(p)
- Walter Davis, Jr.(p)2,4
- Jymie Merritt(b)
- Art Blakey(ds)
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