The Witch Doctor/Art Blakey and The Jazz Messengers
この頃のジャズメッセンジャーズは凄い勢いで録音しています。
徐々にファンキー路線から脱却しつつある転換期でウェイン・ショーターの音楽監督っぷりがまたシブイんです。モード手法に接近しつつもブレイキーらしさを大切にするバランス感覚も危うい感じで緊張感が増しています。
「The Witch Doctor」は「まじない師」っぽく怪しげなテーマのモーガンの曲。全体のハーモニーを重視した手法です。ブレイキーお得意のマーチ風スイングに違和感も...。
6/8拍子のラテンビートが効いている「Afrique」もモーガンの曲。打ち鳴らされるパーカッションの中、テナーのリフの上をラッパがテーマで乗っかるテーマは一聴すると、いかにもショーターっぽいのですが、これはモーガンの作曲。影響を受けていたという証拠でしょうか?ソロに入るとショーターが大爆発!(笑)
「Those Who Sit and Wit」はアップテンポのショーターの曲。独特のヨレた感じのリズムでブロウするショーターが珍しくアツイ演奏です。続くモーガンは余裕すら感じられるスケールの大きなソロです。ブレイキーも、とんでもないソロですな。
「A Little Busy」はメッセンジャーズらしい勢いのあるボビー・ティモンズの作品。リズミックな展開が楽しい曲です。ソロアイディアも面白いですがショーターとの音楽性の違いが顕著に表れていて興味深いところ。
「Joelle」はショーターらしい男気を感じる曲。シンコペーションのパーカッシブなリズムが不気味に盛り上がるマジック。
クリフォード・ジョーダン作の「Lost and Found」はアップテンポの往年のメッセンジャーズらしい元気のあるブルースです。水を得た魚のようにアグレッシブな演奏です。
「The Witch Doctor」の別バージョン。
- The Witch Doctor
- Afrique
- Those Who Sit and Wit
- A Little Busy
- Joelle
- Lost and Found
- The Witch Doctor [alternate take]
- Lee Morgan(tp)
- Wayne Shorter(ts)
- Bobby Timmons(p)
- Jymie Merritt(b)
- Art Blakey(ds)
- Rec.Mar.14.1961.
- Blue Note
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