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このカテゴリへのエントリ数: 最終更新日時: 2010-03-20 17:49 |
Search for the New Land/Lee Morganいい面構えです。
全曲リー・モーガンのオリジナルです。空前の大ヒットとなった「The Sidewinder」の録音から約2ヶ月後に録音されたのですが「The Sidewinder」発売前なので、その後アルバムに必ず一曲は入ってくるジャズロック的な曲調のものは無く、脱バップというコンセプトを、よりジャズ寄りに考えていた感触を受けるアルバムです。盟友ウェイン・ショーターの影響でしょうね。今までにないサウンド重視の方向性で、ハービー・ハンコックの参加も、そんな音作りに一役買っているような気がします。グラント・グリーンは前期グリーン先生なので、浮きまくっています。後期だったら良かったのにね。 テープで持っていたものを iTMS でダウンロードしたわけですが、1曲目のショーターの後モーガンがこれから来る〜!って所でチョン切れています。クレーム出しておいたから、対処されると思います。1ヶ月間は落とさない方がいいですよ。 「Search for the New Land」いかにも新たな音楽を模索していくような幻想的なイントロから始まるのです。そのアンサンブルのインタールードを3拍子のパートに挟んだ構造です。こういう観念的な雰囲気にピッタリなのがショーターです。すごく存在感のあるアドリブです。モーガンの祈りにも似た咆吼も印象的で、ハンコックがバッキングで煽り、さらに熱くなります。
「The Joker」モーガンらしいというか、ブルーノートらしい、いなたいスイングです。往年のアート・ブレイキー・ジャズメッセンジャーズ風です。ビリー・ヒギンズが、ちょっと恥ずかしそうですが...。ショーターも直球バップです。モーガンも直線的で男気あふれるフレージングです。当時マイルスバンドに参加していたハンコックですが、そこでは絶対弾かない和み系アドリブだったりして( ̄ー ̄)ニヤリ。
このアルバムのハイライトといってもいい「Mr.Kenyatta」は、モード色の濃い曲調。解釈としてはコード一発、スインギーで快調に飛ばすモーガンのソロが男らしいのです。ショーターの煮え切らないフレーズに悶々としつつ、グリーン先生の定番な芸で和み、現代的な音使いのハンコックのソロの後、飛び込んでくるモーガンの一吹きで悶絶するのです。
「Melancholee」はタイトル通り哀愁漂うバラードです。美しい2管アンサンブルの上でグリーン先生が舞うように弾くブルージーなフレーズが泣けます。静かな中にも情熱的な心を感じるモーガンのアドリブはリリカルです。ハンコックは叙情的、ショーターは、こういう難しいコードには不思議な雰囲気で対抗です。
ジャズワルツの「モーガン海賊」です。ペダルベースと控えめなバッキングにワビサビを感じます。粘り腰のモーガンお得意のソロフレーズがカッチョイイ。グリーンの単音弾きにもなんとも味があります。ショーターは相変わらずよく分からない...。ハンコックのソロが秀逸です。好き勝手演っていてヒギンズとレジー・ワークマンとの最強トリオといった様子です。
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