Play Henry Mancini/Phil Woods & Carl Saunders

ヘンリー・マンシーニ特集です。


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フィル・ウッズとカール・サンダースの巨匠揃い踏みといった感のある西海岸ハード・バップです。サンダースも結構ハマッていたりするんですが、ウッズもCDにどうしても手が出てしまうミュージシャンの1人です。クインテットの王道を突っ走っている御大です。マンシーニ特集といえば、デイブ・グルーシンの「Two For The Road」がイチオシです。これはジェリー・ヘイのホーンセクション編成からボーカルものと、幅広い都会的でオシャレなアレンジが楽しめる逸品です。何曲か同じ曲を演っているので聴き比べてみると面白いかも。

「The Pink Panther Theme」は、ビッグバンドそのままのセカンドリフだったりして、初っぱなから、てんこ盛りのアレンジで、おなかいっぱいです。エンディングのハイノートに仰け反ること必至。
「Lightly」は、ラテンチューンで楽しい曲です。ジェフ・ジェンキンスのバンピーなブロックコード攻撃もカラーが変わって面白いです。セカンドリフからポール・ロメーヌのドラムのバースもアグレッシブだったりします。
ブルースの「Walkin' Bass」はケン・ウォーカーのベースが光ります。シンプルな構成でアドリブプレイを存分に楽しめます。
バラードの「Soldier in the Rain」は、ユニゾンが、こんなに合うと気持ちいいだろうなぁ。と思ってしまったり。ブルージーでハスキーなトーンを駆使するサンダースのフレージングは見事としか言いようがありません。御大のサックスも引用フレーズとユーモアで負けていないのです。
ミディアムスイングの「Free and Easy」でウッズのソロは強烈です。美味しいところ全部詰め込んでます。対するサンダースのハイノートヒットさせながらも、冷静な唄心に感心させられます。ジェンキンスが、ちょっと散漫な印象になってしまったのが惜しいです。
「Fallout!」は怒濤の熱演。まるで多管編成のよう。ずっと吹いてる疲れ知らずのスタミナのフロント2人。もう、おじいちゃんなのにね...。
「Goofin' at the Coffee House」は、いなたい4ビート。マンシーニはメロディーメイカーとして素晴らしい才能だったのだなぁと再認識。なんとも良い旋律なのです。
バラードの「Dreamsville」はフランク・マントゥースの「Miracle」を思い出しました。ビッグバンドですが。広いレンジとバピッシュなフレージングで大きく唄うサンダースは圧巻です。対するウッズは優しいトーンで、ささやきかけるように唄います。そして、2管のアンサンブルの見事な響きに魅了されます。
「Mr Lucky」もバディ・リッチの「Mercy, Mercy」のような野獣的なプレイも楽しいのですが、こんな風に淡々とクールに演ってみてもカッコイイ。サンダースの息をもつかせぬ超絶技巧に悶絶します。聴いている方が息が...く、くるしい...。
「Sorta Blue」は初めて聴いた曲。ポリリズム風にカウンターラインの効いたアレンジで、ちょっとオリエンタルな雰囲気です。この曲でのジェンキンスは躍動感があるソロで良いですね。
「A Quiet Gass」も知らなかった...。大きなメロディーラインと細かいリズムの対比が面白い、3連ラテン系のリズムでガシガシ演ってます。
「Two for the Road」のフロント2人のアカペラは室内楽的な雰囲気がして、とてもロマンチックだったりします。サンダースの泉のように湧き上がるフレーズはスゴイ。ウッズのソロが盛り上がり、倍テンのセカンドリフがスインギーです。練った構成で、印象派絵画のようなストーリー性です。
  1. The Pink Panther Theme
  2. Lightly
  3. Walkin'Bass
  4. Soldier in the Rain
  5. Free and Easy
  6. Fallout!
  7. Goofin' at the Coffee House
  8. Dreamsville
  9. Mr Lucky
  10. Sorta Blue
  11. A Quiet Gass
  12. Two for the Road
  • Phil Woods(as)
  • Carl Saunders(tp,flh)
  • Jeff Jenkins(p)
  • Ken Walker(b)
  • Paul Romaine(ds)
  • Rec.Aug.26〜28.2003.
  • Jazzed Up

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2008年04月28日 (月) at 11:28



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