BRUTUS特別編集 完本 音楽と酒。

onngakutosake
ずっしり3冊分。

3冊まとめて一冊にして出ていました。音楽バーのプレイリスト集。楽しいです。行ってみたい店ばかり。

バラカンさんのプレイリストは、少しずらした選曲で、通好み。それぞれの、うんちくは、面白い。

Bar MARTHA の一晩通してのプレイリストは、気合を入れて聴きました。

ジャズ喫茶で、飲んだくれていた昔々を思い出して。

食べるとはどういうことか/藤原辰史

いままで食べたなかで一番おいしかったものは?

という、質問から始まる、子どもたちとフジハラ先生との、議論の記録です。思考の、たしなみ、というか、考えることの大切さまでに、お題は、ひろがっていきます。それは、哲学そのもの。子どもたちの、レベルが高くて、タジタジです。

「食べる」とは、どこまで「食べる」なのか?を、考えると、台所を「内臓の派出器官」と、とらえて、お尻からも、ぼんやりと、世界とつながっている、とは!命って、人間って、そういうことだよね。納得。おもしろかった。

「桐島、部活やめるってよ」を観てきました。

横浜ブルク13で観てきたわけですが面白かったです。全然、期待していなかったわけではありませんが、予想以上に引きこまれてしまいました。原作同様に同じ時間を多視点で描きだす学園群像劇です。

あー。学校ってこんな感じだったなぁと、吹奏楽団だった私は部長サンのスケール練習に心を鷲掴みにされ、授業をサボって映画を観に行って先生とバッタリ会ったことを思い出したり、大人や学校に絶望していた閉じた世界をキリキリと感じてしまった次第です。

野球部キャプテンに男を感じるのか、吹奏楽部の部長サンが練習に戻る所に涙するのか、クライマックスの映画部に溜飲を下げるのか、野球部のグラウンドに向かう宏樹に未来を見るのか、それぞれの登場人物に、それぞれに感情移入出来てしまうという不思議な映画でした。

学生時代だけではなくて、自分のやりたい事って何なんだろうと空虚を抱えながら、大人になっても生きているわけで…。夜中に1人で素振りをするキャプテンに顔向けできず、監督になる才能も無いのに何で映画作ってるの?との問いに「好きだから」と答えられて涙するのは、宏樹と同時に僕らなんだね。

原作のエピソードを大胆にカットしてあったりするのですが、逆に絶妙な構成になっていて、思わず唸りますね。ストーリー上、不必要というモノだけではなくて、十分な余白を作ることで、映画を観た僕達に想像させて「語りたい映画」になっていると思います。そんな熱量で語られる一連のタマフルの映画評(駄話)ポッドキャストが非常に面白かったです。町山さんとコンバットRECさんの乱入ですさまじい事になっていますが…。

エンドロールの後、高校生らしき集団が後ろに居たのですが「え?ナニコレ?」な反応だったのが微笑ましかったです。現在進行形で、この閉じた世界に生きている君達にも、きっと分かる時がくるぜ。頑張れ。と心の中でエールを送ったオッサンなのでした。

8月11日(土)公開 映画『桐島、部活やめるってよ』公式サイト

原作

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)image

文藝春秋増刊「つなみ 被災地のこども80人の作文集」

文藝春秋増刊「つなみ 被災地のこども80人の作文集」 2011年 8月号image

明治29年、昭和8年、昭和35年のチリ津波と大津波に襲われた三陸の人々を丁寧に取材した吉村 昭先生の「三陸海岸大津波image
」というノンフィクションを思い出しました。以前読んだとき、生々しい証言からの再現物語で、ちょっとした事で生死を分ける津波の怖さに戦慄したのを覚えています。もう1回読んでみようとこちらも一緒に購入してみました。

さて、今回で四度目の大津波に襲われた三陸海岸に関する書籍でコレは次世代に残る(残すべき)ノンフィクションになるのではないかと思います。子供の作文なんですけどね。つたない文章ですが、そこには真実が実直に語られているわけでテレビの映像などでは感じることの出来ない当事者としての災害を肌で感じました。ディザスター・ムービーで云うならば「クローバーフィールドimage」の視点です。世代を超えて災害の記憶を伝えるノンフィクションとして素晴らしい本だと思いました。

大切な身近な人や今までの平和な世界を突然失うという体験をした子供達の悲しみは計り知れない大きさで、僕なんかには理解出来ないのですが…。収録された無邪気な笑顔の子供達の写真を見ると、なぜか希望と力が湧いてくるのです。同世代の子供達にも読んでもらいたいなぁ。