The Pleasure Dome/Jim Rotondi

ジム・ロトンディの2003年録音。おねえちゃんのくびれにラッパが乗っているイカしたジャケです。


The Pleasure Domeimage

メンツを見ただけで、サウンドが思い浮かびます。「One For All」の録音があると、抱き合わせで録るのか?という位に、それぞれのリーダーアルバムにもゲストとして顔を出していて、どれもこれも同じメンツだったりして困ってしまうのですが...。いつものエリック・アレキサンダーに替わって、珍しくサックスはジェシー・デイビスです。

「On y Va(Let's Go)」はハードバップから新主流派の匂いがプンプンする疾走感あふれるテーマが格好いいです。さらにソロでもバッピシュなロトンディは圧巻です。
「The Breeze and I」の6/8拍子のラテンリズムと4ビートを組み合わせたアグレッシブなアレンジは面白いです。こういう古典を取り上げるのも、この連中のやり口です(笑)。とはいえ、なかなかモダンな感じで好印象です。
表題曲「The Pleasure Dome」はロトンディのオリジナルでアップテンポのストレートなハードバップです。60年代のブレイキーバンドを彷彿とさせます。非常に饒舌なソロを展開するロトンディです。音を詰め込む感じです。ジョー・ファンズワースのドラムが伝統芸的でしっくりきます。
スタンダードの「My Ideal」をピアノデュオから始まります。ワンホーンのバラードです。フリューゲルの音色も豊かで見事なフレージングです。
ピアニストのビリー・テイラー作の「A Bientot」はボサというか8ビートのジャズロック風な雰囲気が漂います。この曲はとても好きです。穏やかで美しいメロディーが良いです。一転ソロに入ると細かいフレージングで攻めまくります。対してデイビスのアーシーなサウンドは、ちょっとキツイかも?
軽快な4ビートの「Yours Is My Heart Alone」は、ワンホーンでミュートプレイです。控えめなブラシプレイのファンズワース、デヴィッド・ヘイゼルタインのピアノもスインギーで、いなたいのです。
ジョーヘンのブルースナンバー「Mamacita」は「Full House」の「Champagne Taste」でも取り上げていましたし、彼らのマイブーム的な曲なんでしょうね。ワンホーンで同じアレンジですが、電化されていないぶんファンキーさが少ないです。とはいえ、ロトンディは溌剌としたソロで、格好いいです。この曲調でファンズワースにバースを、むちゃぶりしてるのも可笑しい...。
ドナルド・バードのブルージーな「Hush」は2管フロントがピッタリなミディアムテンポのバップ作品です。レイ・ドラモンドのユーモアたっぷりのソロからデイビスのブロウ、おもむろに始まるインテリ系のロトンディと、色合いも豊かです。ヘイゼルタインの芸達者ぶりも見事。
  1. On y Va(Let's Go)
  2. The Breeze and I
  3. The Pleasure Dome
  4. My Ideal
  5. A Bientot
  6. Yours Is My Heart Alone
  7. Mamacita
  8. Hush
  • Jim Rotondi(tp,flh)
  • Jesse Davis(as)
  • David Hazeltine(p)
  • Ray Drummond(b)
  • Joe Farnsworth(ds)
  • Rec.Oct.10.2003.
  • Sharp Nine

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2008年02月18日 (月) at 13:31



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