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このカテゴリへのエントリ数: 最終更新日時: 2010-03-20 17:49 |
The Sixth Sense/Lee Morgan第六感です。オカルトやホラーではなく内容はバップ魂炸裂の後期モーガンです。
録音されていたにもかかわらず、すぐには発売されなかったアルバムというのは少なくないのですが、このアルバムも1970年に日の目を見たものです。アフリカ系、ラテンリズム、第三世界のリズム形態を多く取り入れていて、レコーディング当初は売れないと判断されていたのでしょう。「The Sidewinder」などのような大ヒットを目論む制作サイドの要求とミュージシャン側に溝が出来ていたといったところでしょうか。後半3曲は録音日も違うボーナストラックです。ジャッキー・マクリーンが抜けて、リズム隊もハロルド・メイバーンのピアノに替わって雰囲気も、よりディープで違ったものになっています。 表題曲「The Sixth Sense」はミドルテンポのボサ。テーマはクインテットでモーガンとフランク・ミッチェルのアンサンブルが大雑把だったりするのも良い雰囲気です。サビの進行が興味深いです。マクリーンが珍しく大きなフレージングです。相変わらずな音色ですが。(笑)
アップテンポの「Short Count」は浮遊感のある進行でモード色が強いです。テーマアンサンブルからマクリーンが参加して、ゴリゴリと熱いアドリブが展開されます。マクリーンが唸る!堂々としたモーガン。シダー・ウォルトンが一番良いかも。終始ビリー・ヒギンズがアグレッシブでカッコイイです。
「サイケデリック」ってタイトルの割にはユル〜イジャズロックです。この弛緩されたノリでヒギンズのオカズがたまらなく格好悪いのが時代を感じます。モーガンは十八番フレーズ全開で吹きまくっていますが、マクリーンは「演ってられんぜっ」みたいな雰囲気です。どうした?
「Afreaka」はデヴィッド・ヘイゼルタインの「Champagne Taste」で見事に現代クラブジャズ風にアレンジされて取り上げられていた曲です。シダー・ウォルトンの作曲でアフリカ系リズムの一発ものです。当時のヒップなリズム形態にモーガンも真摯に向かい合っている感じがします。ミッチェルも探っている感が強いです。が、マクリーンは炸裂しちゃってるし...。それにつられてヒギンズ も燃えていて、こっちの方が最高です。
「Anti Climax」は「The Rumproller」の名曲「月の砂漠」をセルフカバーリメイクしたものです。クインテットで哀愁漂うテーマ部から躍動感あふれるハードバップに突入します。マクリーンの唸り声が多いのが、その証拠。
アルバム唯一のバラード「The Cry of My People」はミュートトランペットでシリアスに攻めています。
ここからクインテットです。ベースがミッキー・ベースに替わって、ちょっと軽めになった印象です。ミッチェル作曲の「Extemporaneous」は、これぞハードバップといった感じのテーマで疾走感があります。メイバーンのバッキングが、ちょっと、うるさいかも?ここでの主役はヒギンズです。素晴らしい。
「Mickey's Tune」は、その名の通りミッキー・ベースの作曲。ミドルテンポの4ビートに短い6/8拍子が挿入されている奇妙な作りです。この日は唇のコンディションが悪いのか、モーガンの音にキレがありません。
「Leebop」はテーマの面白さが引き立っています。ソロ部はモーガンらしい直球バップものです。ここでもヒギンズのプレイが白眉です。
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