Mirages/Alex Sipiagin Quintet

アレックス・シピアギンの新譜。


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ここでは「Equilibrium」しか書いていませんが、クリスクロスレーベルでは7枚目のリーダーアルバムになります。シーマス・ブレイク、マルグリュー・ミラー、ボリス・コズロフ、ジョナサン・ブレイクといった N.Y.シーンでは、お馴染みで気心の知れた仲間達といったメンバーです。ハードバップを下敷きにモーダルに、そしてリズム的にも工夫された、一筋縄ではいかない聴き応えのある一枚です。

オリジナル「One For Mike I」はマッコイ風味な曲調です。ラテンリズムと4ビートの交錯でメカニカルに舞うテーマがカッコイイです。
表題曲の「Mirages」もアレックス・シピアギンのオリジナル。6拍子と10拍子の混在という超変態な曲。テーマは浮遊感のあるメロディーとその変拍子があいまって、なかなか良い雰囲気なのです。
「Live Score」も6/8拍子のラテンリズムでグイグイ押しまくる熱い曲調のオリジナル。どうも同じ感じの曲が続いて聴いていてツライかも。マルグリュー・ミラーのマッコイ的なコンピングも単調な感じで飽きてしまう。
「Levitin's Kingdom」もラテンリズムのオリジナル。ホントにお腹いっぱいなんですけど...。幾何学的メロディーと機械的なコード進行でブルックリン派よりのファンクでも合うかもね。
スタンダードな「Just One Of Those Things」なのですが、ボリス・コズロフのベースソロから始まって、テナーの多重録音の奇妙なバッキングと土着的なリズムでテーマが演奏されます。このアイディアは面白いね。ソロに入ると疾走する高速4ビートに突入します。ジョナサン・ブレイクのプッシュが最高!
ジョーヘンのブルース「Tetragon」で、やっとオーソドックスなスイングになってホッと一息です。といってもトリッキーなテーマがニクイ感じなのです。
ここに来てやっとスローナンバーですがショーターの「Iris」って事で、とっても内省的な雰囲気です。フリューゲルの音色がグッときます。
1曲目の別テイク「One For Mike II」は本テイクに引けを取らない熱い演奏です。この人のラッパは説得力のある音色ですね。
  1. One For Mike I
  2. Mirages
  3. Live Score
  4. Levitin's Kingdom
  5. Just One Of Those Things
  6. Tetragon
  7. Iris
  8. One For Mike II
  • Alex Sipiagin(tp,flh)
  • Seamus Blake(ts)
  • Mulgrew Miller(p)
  • Boris Kozlov(b)
  • Johnathan Blake(ds)
  • Rec.Jun.17.2008.
  • Criss Cross

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2009年04月15日 (水) at 11:44



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