Light On/Tom Harrell

ロニー・プラキシコの「Rhythm and Soul」ミンガス・ビッグバンドの「I Am Three」なんかで名前を見たサックスのウェイン・エスコフェリー、同じくミンガス・ビッグバンドやラッセル・マローンの「Live at Jazz Standard,Vol.1」でも聴いたことのあるジョナサン・ブレイク、最近のトム・ハレルのレギュラーベーシストで「Wise Children」にも入っていたウゴンナ・ウォケグゥオ(読めん!)、ピアノのダニー・グリセットだけは初めて聴きます。若手から中堅どころの、オイシイ人選です。
アルバムを通しての印象も、メインストリームな4ビートジャズというより、8ビートや16ビートで、曲によってはローズを入れてゴリゴリ演るというブルックリン派寄りのサウンドです。フィル・ウッズと連んでいた、あの頃の王道ジャズからは、少し外れた感じです。あの頃は凄すぎました。リーダーアルバムには波がありすぎてハズレが多いのも否めませんが、さて新作は?
「Va」はシンコペーションの効いたパーカッシブな8ビートの曲です。テーマの印象を引きずりつつ、断片的で内省的なソロのハレルです。対照的に長尺なフレーズを、アグレッシブに、これでもか!と吹きまくるエスコフェリーは音の洪水といったところ。ピアノソロ部の録音バランスが、悪いのが惜しい。
「Sky Life」は意外なほどスマートなファンキーチューンです。先発のエスコフェリーが掴みが上手いです。ハレルはフリューゲルを吹いていますが、失速気味。エンディング近くのソロが一番良いかも...。
浮遊感のある「Contrary Mary」は展開もハレルらしい、ひらめきです。でもソロは、やはり断片的な印象でイマイチ。
メロディアスなワルツ「Fountain」は、とってもロマンチックな良い曲です。ソロはハレルのみのシンプルな構成。
叙情的な「Nights at Catalonia」は、グリセットのピアノが、とても雰囲気があって良いです。内省的に響くハレルのフリューゲルもピッタリです。ここでは、空間を使ったエスコフェリーもスケールの大きなソロを展開します。
ラテンチューンの「The Gronk」は、70年代臭くて、なんとなく懐かしい感じがしたり。ハレルも軽快にソロを飛ばします。
「Architect of Time」は、中東系?なメロディーの組み合わせが、とても奇妙で面白い曲です。エンディングもカットアウトでビックリ。
このアルバム唯一の4ビートもの「Bad Stuff」です。これが一番格好良いかも?やはり一番慣れている形式だからでしょうか。この路線で、行っても良いと思うんですが...。
カリプソチューンの「Blue Caribe」も楽しい構成です。よく思いつくよなぁ。ちょっとマイルス入ったソロのハレル。空間を埋め尽くすようなエスコフェリー。おもむろにローズを響かせるグリセットのセンスが光るのです。
「Va(Reprise)」は、1曲目のトランペットソロの別テイクです。リズムのヨレ具合が、より妖しさとスリリングさが増していてハレル好きには、たまらないかも。
- Va
- Sky Life
- Contrary Mary
- Fountain
- Nights at Catalonia
- The Gronk
- Architect of Time
- Bad Stuff
- Blue Caribe
- Va(Reprise)
- Tom Harrell(tp,flh)
- Wayne Escoffery(ts)
- Danny Grissett(p,fender rhodes)
- Ugonna Okegwo(b)
- Johnathan Blake(ds)
- Rec.Dec.5,7.2006.
- Highnote
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