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このカテゴリへのエントリ数: 最終更新日時: 2010-03-20 17:49 |
Checkin' In/Ulf Wakenius Group最近ハマっているギターキッズも多いウルフ・ワケーニウスの2004年のアルバム。
昨年亡くなったオスカー・ピーターソンのバンドで最後のギタリストとして、彼の音楽魂を継承すべく「In The Spirit of Oscar」を結成してアルバム「Cakewalk」では、バップギタリストだったりしたのですが「Easy Does It」ではオルガンジャズに突入してみたり...。そこかしこに匂うブルージーで R&B 的なフレージングに只者ではない雰囲気を感じてはいましたが、80年代はフュージョン・バンドを演っていたらしく、幅広い音楽性を感じ取ることが出来ます。ベースの森さんもラーシュ・ヤンソントリオのライヴのような北欧ジャズどっぷりな感じではなく、堅実なバップラインに( ̄ー ̄)ニヤリです。 カーシュテン・ダールの「Will You Make My Soup Hot And Silver」は北欧クラブジャズ系のリズムでファンキーです。もうちょっと押しが強い方がノリノリになれるかも?ワケーニウスの馬鹿テクに、のけ反りつつピアノのソロに変わると、また炸裂。このダールという人も変態でした。
大仰なイントロから何が始まるかと思ったら「Mack The Knife」でした。このイントロの作りがカッコイイなぁ。で、テーマもかなりブルージーな雰囲気で、ワケーニウスらしい唄い方です。いなたいバップ作品に仕上がりました。
「Footprints」もイントロから文句なくカッコイイ。ダールの左手がうるさいかな?ワケーニウスを煽るモーテン・ルンドも手数多し。ワケーニウスは例によって爆発。エンディングで異常に盛り上がるのですが、変拍子に萌えるのはヨーロピアンの性なのでしょうか?
バラードの「Panta De Area」はギターソロで箸休め。カントリー風な感じです。メセニー的なコードワークとも。
アップテンポでスインギーに迫る「Soon」です。8分音符を埋め尽くすようなワケーニウス。バッピシュな中に現代的でメカニカルなフレージングを潜り込ませる手法が魅力です。エンディングは水を得た魚のようにブルージー。
「A Child Is Born」もギターソロのバーラード。これだけ弾ければ1人で十分。
「I Didn't Know What Time It Was」はジャズロック的でクラブシーンでも受けそうなオシャレな雰囲気のリズム形態。ワケーニウスも珍しくメロディアスに唄うソロ。とは言っても、変態も散りばめられています。
バンドで演奏するバラードは唯一「Little Girl Blue」のみ。これが絶品。ルンドのブラシプレイには舌を巻きます。このテンポでとてもスイング感が出ています。叙情性豊かなダールのピアノ、空間を作り出す森のベース。欧州ジャズの醍醐味はこんなところにあるのかもしれません。
ギターソロの「The Days Of Wine And Roses」でエンディング。スタンリー・ジョーダンを思い出してしまいました。
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