Upward and Onward/One for All

初期 One For All の3枚目のアルバム。1999年の録音です。


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やはりクリスクロスレーベルの頃が一番好きです。どハードバップのオイシイ編成で王道ジャズな音です。骨太でブリッとした手応えがあります。シャープナインレーベルも捨てがたい所ですが、ビーナス日本企画盤はいつも拍子抜けです。でも結局買っちゃうんだよな...。orz

マイク・ルドンとジム・ロトンディの共作「D's Blues」は高速4ビートで疾走します。ガッツリしたモード色の濃い曲調でスリリングな展開。1曲目のツカミはOK。先発のスティーブ・デイビスがトロンボーンらしい圧巻のソロです。デビッド・ヘイゼルタインもメカニカルでスピード感のあるフレージングです。
アレキサンダーの「Perspective」はミドルテンポの、なごみ系。3管アンサンブルが、とても気持ちいいです。ピーター・ワシントンの堅実なビートが雰囲気を盛り上げています。やはりアレキサンダーは流麗で素晴らしいソロです。
ヘイゼルタインの「みんな大好きエディ・ハリス」です。「Live at Smoke」ではクロージングテーマでした。ラテン系のノリの一発モノ。アレキサンダーの炸裂ぶりは圧巻で気持ちが伝わります。バッキングリフはホレス・シルバー系で、そういえば One for All の原点はアート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズやホレス・シルバーバンドですし「It's Got To Be Funky」にはエディ・ハリスも入っていますね。 N.Y.のアイドル的な存在なのかなぁなんて思ってみたり。
スティーブ・デイビスの「Epitome」はアンサンブルの練られたバラードです。空間を上手に使っているジョー・ファンズワースのブラシプレイが大人な雰囲気です。
ベニー・ゴルソンの「Just by Myself」はアート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズで覚えていました。名曲です。オリジナル通りのアレンジで、いなたい雰囲気を醸し出しています。こういう曲は十八番ですね。
クリフォード・ジョーダンとビル・リーの共作「John Coltrane」は6/8拍子のモーダルな曲で題名通りにコルトレーンサウンドを表現しています。静かな盛り上がりに情熱を感じます。
ヘイゼルタイン「Blues for Joe Don」は3連系のノリでブルージーなスローナンバー。3管アンサンブルとリズムの処理は勉強になりますね。
デイビスの表題曲「Upward and Onward」はアレンジも良くてリズム的にはファンク寄りでノリノリ。フェードアウト間際のヘイゼルタインを聴くと、「Champagne Taste」のような、よりファンキーなリズム隊で聴いてみたい気もします。
  1. D's Blues
  2. Perspective
  3. We All Love Eddie Harris
  4. Epitome
  5. Just by Myself
  6. John Coltrane
  7. Blues for Joe Don
  8. Upward and Onward
  • Jim Rotondi(tp,flh)
  • Steve Davis(tb)
  • Eric Alexander(ts)
  • David Hazeltine(p)
  • Peter Washington(b)
  • Joe Farnsworth(ds)
  • Rec.Jun.14.1999.
  • Criss Cross

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2008年08月20日 (水) at 16:47



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