- 鈴虫
- 犭(ケモノ)
- よいぎつね
- 箱詰めの文字
- 冬の鬼
- 悪意の顔
こわーいミステリーというかホラー短編集。怖いっ!けど気になる…と、あっと言う間に読み進めてしまいました。
独立した短編ですが通して登場する S という人物が、それぞれの物語を奇妙に繋げていて不気味な雰囲気を醸し出しています。人間の心の愛憎と欲望に棲む魑魅魍魎の跫音が僕にも聞こえてくるようで、読むのを何度も止めようかと思いました。書体も不気味…。
悪意と憎しみというブラックなテーマだけでなく、恋人との日記を遡る「悪意の顔」なんて愛情をテーマにしていたりします。日本昔話の伝統芸を感じました。昔話ってリアルに考えるとホラーばかりですものね。