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このカテゴリへのエントリ数: 最終更新日時: 2010-03-20 17:49 |
Trouble Shootin'/Stefano Di Battistaステファノ・ディ・バティスタの去年のアルバムです。当初はバップな印象でしたが徐々に本性を表してきた感も?
「A Prima Vista」では去年聴きに行ったフラビオ・ボルトロがラッパでしたが、こちらはファブリッツィオ・ボッソです。2人入れたら対決シリーズになっちゃうものね。しかしニューヨークからラッセル・マローン呼んで、イタリアンハードバップのボッソ入れて、エリック・レニーニも...豪華なメンツで、フランスブルーノートからリリースする商売上手。で、このアルバムはハモンドB3入りでファンキージャズかと思いきや、都会的なソプラノのトーンやニコラ・スティロのフルートも入って、汗臭いテコテ一辺倒にはならずに、曲調のバリエーションも豊富です。良い意味で...(爆)。この手の音楽は所詮ブラックには敵いませんしね。 ソプラノでオシャレなワルツの小品「I Will Love You」でオープニングです。爽やかなメロディーです。マローンのギターソロもバピッシュ。バティスタの音を詰め込むようなソロから、さらりとテーマに抜けて終了。
ケニー・バレルの「Midnight Blue」は伝統的なファンキー系2管で。相変わらずの炸裂っぷりを披露しています。ボッソも高速フレーズで攻めたてます。こういう曲が泥臭くならないのはヨーロッパ的です。
スティロのフルートとソプラノの輪唱状態のオリジナル「The Serpent's Charm」は5拍子で、官能的なトーンがいい感じです。「You And The Night And The Music」みたいなメロディーですが...。初めて聴きましたがスティロのソロが抜群です。最近のフルートでは珍しくアグレッシブなタイプですね。ボッソはアンサンブルのみの参加。
「Under Her Spell」は「魅せられて」って意味かな?ジュディ・オングだ。じゃなくて、重い3連系のブルージーな曲です。感情のままに奔放な演奏がヤバイ。が、やはりちょっとわざとらしく感じてしまうのは、キメが凝ったコードだったりする構成のせいかな?
ホレス・シルバー「The Jody Grind」はボッソの参画する High Five Quintet の「Jazz for More...」でも取り上げているファンキージャズの名曲。オルガンの音色がピッタリのクラブジャズ系ですね。バティスタがブルースでガンガン壊れていく様子は圧巻です。ボッソも力業中心の咆吼、マローンも後期グリーン状態(笑)。
「Echoes Of Brazil」はフルートの大仰なイントロで始まるオリジナルボサです。ソプラノで哀愁のメロディーです。やはりスティロの舞うような美しいソロが聴き所です。
「Alexanderplatz Blues」はロッケンロール(笑)ブルース。難しそうなテーマです。マイク・スターン=ボブ・バーグ的な?楽しそうです。マローンのピッキングもソレ風で片足上げて飛び跳ねているかのよう。
「Essaouira」は2管でオリエンタルな奇怪なメロディー。が、高速でぶち壊れていくのでした。こういう炸裂系の曲でボッソのソロが無いのは非常に残念なのです...。
「Wheather Or Not」も2管の妙なテーマで、この曲ではボッソもソロスペースありで、萌えです。いきなりハイトーンから切り込んできて、のけ反ります。
ティモンズの「This Here」は、いなたい曲なので、もう少し粘り腰で演って欲しい気もします。この曲のボッソがスバラシイ。高速連射フレーズで駆け抜けています。
表題曲の「Trouble Shootin'」はレニーニが参加して80年代アシッド系の洗練されたサウンドです。この曲調だとベースが欲しいかもね。もうちょっと重心下げたい感じです。ウィル・リーあたりに弾かせたいかも。エリック・ハーランドのドラミングの見せ場となっています。
ジミー・スミスで有名な「The Cat」は、シンプルなワンホーンオルガントリオになっています。バティスタのソロを聴いていると柔軟な奏法なのだなぁと感心してしまいます。とても自由な感じ。でもバティスト・トロティニィンが逆に不自由な感じ。オルガンは得意じゃないのかも?
「The Mission」はオルガンとソプラノサックスのデュオで教会音楽風を狙っています。
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