アイガー北壁

横浜ブルク13で観ました。それほど宣伝されているわけでもないのに、座席2/3位は埋まっていて、期待感は増すばかり。山岳モノは男として外せないわけで、ザイルで結ばれた男の友情と困難に立ち向かう勇気に感動させられるのを、今か今かと、ワクワクしつつ、春の学校芸術鑑賞会の子供のように待つ僕なのでした。

国威高揚のため前人未到の難所アイガー北壁初登頂を強く押し進めるナチス政権が、初登頂者にオリンピックの金メダルをあげちゃうという無茶な事を、ホントにやっていたというのには、びっくりしました。知らなかったです。「山に登るのに順位は関係ない。自分の為に登るのだ」というトニーの言葉に、まずひと萌え。明るい性格で活動的なアンディに押し切られた形でアイガー北壁に挑むことになるわけです。ライバルのオーストリア人パーティとも衝突しながらも同じ山男同士協力して立ち向かうのも萌えポイント。「やれる!おまえならできる!」ところが、悪天候と雪崩と自然の猛威に、もうボロボロ…。あの、お調子者のアンディが「生き抜いてくれ」の場面は、お約束ですが号泣です。

ザイルも失い、にっちもさっちもいかなくなるトニーの元に、恋人ルイーゼが、一晩数十メートルの距離で過ごすってのは、嘘くさい…。この話必要?岩肌に立ったまま縛り付けて文字通り岩にへばりついた状態で一晩過ごし、なおも生きて抜いていたトニー。凍傷で真っ黒になり、必死の形相で生きようとする姿はリアルで凄かった。何時間もかかって渡したザイルが「あれっ?」って早く気がつけよ!あー!

この救出シーンは風の音とハーケンを打つ音が鳴り響いているだけ。誰か登っているのか?と思ったけど、この音は山に生きた男の心拍音だったのね。感動的でした。アンディの振り子トラヴァースも一緒に山を登っているような感覚になるほどのウマイ撮り方でした。映画館でしか味わえないシネマスコープの大画面に映し出される過酷で美しい山岳風景は圧巻で大迫力なのでした。

帰ってからの風呂が、とても気持ち良かったのは云うまでもありません。

公式サイト

アイガー北壁 [DVD]image


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