ルームメイト/今邑 彩

ルームメイト (中公文庫)image

多重人格者ミステリーサスペンスです。ルームメイトの失踪から事件は次々に殺人事件が起きるテレビ的な展開。主人公の女の子も、かなり行動的で突き進む姿に違和感を覚えつつ、読者は、すでに中盤で犯人に目星が付いてしまうわけなので、興味の持続を促す上で、もっと陰とした、ジメッとした、人間くさい人物の描き込みが欲しかったかな。

発端がルームメイトの失踪で1人の体に共存する人格たちもルームメイトとして表現されていますが、御都合主義的に発現する、それぞれの人格が、ありきたりで、飽きがくるのも正直なところの感想。全ての事象が多重人格で説明できてしまうのって、なんでもありのスーパーマン的な前提になってしまうから…ちょっとキビシイかな。封印されたモノローグに出現する第三人格の発現理由が全く説明できない所に、この多重人格という設定を乱用しすぎた結末となってしまいました。医学的に、どうこうという事は分かりませんがね。


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