「桐島、部活やめるってよ」を観てきました。

横浜ブルク13で観てきたわけですが面白かったです。全然、期待していなかったわけではありませんが、予想以上に引きこまれてしまいました。原作同様に同じ時間を多視点で描きだす学園群像劇です。

あー。学校ってこんな感じだったなぁと、吹奏楽団だった私は部長サンのスケール練習に心を鷲掴みにされ、授業をサボって映画を観に行って先生とバッタリ会ったことを思い出したり、大人や学校に絶望していた閉じた世界をキリキリと感じてしまった次第です。

野球部キャプテンに男を感じるのか、吹奏楽部の部長サンが練習に戻る所に涙するのか、クライマックスの映画部に溜飲を下げるのか、野球部のグラウンドに向かう宏樹に未来を見るのか、それぞれの登場人物に、それぞれに感情移入出来てしまうという不思議な映画でした。

学生時代だけではなくて、自分のやりたい事って何なんだろうと空虚を抱えながら、大人になっても生きているわけで…。夜中に1人で素振りをするキャプテンに顔向けできず、監督になる才能も無いのに何で映画作ってるの?との問いに「好きだから」と答えられて涙するのは、宏樹と同時に僕らなんだね。

原作のエピソードを大胆にカットしてあったりするのですが、逆に絶妙な構成になっていて、思わず唸りますね。ストーリー上、不必要というモノだけではなくて、十分な余白を作ることで、映画を観た僕達に想像させて「語りたい映画」になっていると思います。そんな熱量で語られる一連のタマフルの映画評(駄話)ポッドキャストが非常に面白かったです。町山さんとコンバットRECさんの乱入ですさまじい事になっていますが…。

エンドロールの後、高校生らしき集団が後ろに居たのですが「え?ナニコレ?」な反応だったのが微笑ましかったです。現在進行形で、この閉じた世界に生きている君達にも、きっと分かる時がくるぜ。頑張れ。と心の中でエールを送ったオッサンなのでした。

8月11日(土)公開 映画『桐島、部活やめるってよ』公式サイト

原作

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)image


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