ハート・ロッカー

109シネマズMM横浜で観てきました。今月までで上映終了なので駆けつけた次第です。

アカデミー受賞などで話題性のある作品は斜に構えて観てしまうへそ曲がりな僕ですが、結構楽しめたなぁというのが正直なところです。爆弾処理自体よりも、それを取り巻くイラク人の方が怖かったり、乾いた空気感が、リアルで臨場感がありました。特に中盤の長距離狙撃場面はカッチョイイ。爆弾出てこないんですけどね。

画面からイラクのホコリっぽい乾燥した灼熱の空気を感じる事が出来るのが見事です。この長距離狙撃の場面は自分勝手だった主人公が観測手で、不信感たっぷりの上官がバレットを構える。スコープを構え着弾調整し何時間も同じ姿勢で口はカラカラ、顔は砂埃まみれ。主人公は射手にストローでジュースを飲ませる。敵銃口が火を噴き、狙撃され、数秒送れて乾いたライフルの音が響く荒涼とした砂漠地帯。静寂な時間に押しつぶされそうになりながら力を合わせて闘う事で友情が芽生えるのでした。ボブ・リー・スワガー・サーガの「狩りのときimage」を彷彿とさせられました。まさに、お約束の男の友情設定ですが、萌えちゃいます。

このチームは思わぬ展開で崩壊していくわけですが、それは反ブッシュであり、現在の米国の状況を映し出しているストーリーでした。しかし単なる戦争映画ではなく、反戦映画でもなく、これは男の生き様だと思えるのでした。相変わらず男っぽい映画を撮るキャスリン・ビグローです。でかくて強い女が大好きなジェームズ・キャメロンが惚れるわけですな。

ポッドキャストと Twitter で展開されていた町山智浩氏と宇多丸師匠の対決を聞いて、僕は「戦争は麻薬だ」は、必要ないと思いました。この論争も興味深く聞きました。(Togetter – まとめ「町山智浩×宇多丸 『ハート・ロッカー』 まとめ」)ですが、評論家同士の論争で、へたれの僕等に評論を押しつけないで欲しいと尻尾を巻いて退散。冷や汗出てきた…。

公式サイト

ハート・ロッカー [DVD]image


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