レイ・チャールズ特集なオルガンジャズなのでソウルフルなモノかと思いましたが、盟友エリック・アレキサンダーと双頭バンドでジョー・ファンズワースがドラムということで「One For All」的な雰囲気です。マイク・ルドンのオルガンを探してみたら、The Anniversary Quartet の「You’ll See!」で聴いたことがありました。ここのメンツにジム・ロトンディが加わった形ですね。ハードバップ的なアプローチでレイ・チャールズを料理する試みですが、レイの片鱗はテーマのみで、これでいいんかいな?的なジャズでの再構築です。あと全員ソロ回さんでエエよ。たっぷりと各人のソロを聴きたいところです。
正統派 R&B といったノリで「What’d I Say」は、なかなかブルージー。ファンズワースのフィルが笑っちゃうけど。ああ、アレキサンダーは、いつもと同じなのねと気付く1曲目。
「Baby, It’s Cold Outside」はフリューゲルでテナーとコール&レスポンス風。まるでジャズ(笑)。ロトンディも、いつものように炸裂しだして( ̄ー ̄)ニヤリ。各人のソロが、あまりにコンパクトなので、物足りないです。
ルドンのオリジナルの「Brother Ray」は正統派ファンキージャズです。バーンスタインのソロからバピッシュに。既に威風漂うアレキサンダーは圧巻のソロを展開します。みんなワンコーラスで終わっているのでホント物足りないです…。
6/8で「Cry Me A River」をモダンジャズ風にクールに攻めます。もうレイの影も聴き取れないガチのインタープレイ。カッコイイ。ロトンディのリップコントロール、アレキサンダーのアイディアとテクニック。現代ジャズを堪能ですが。やっぱり、短くて物足りないよ。
ジャッフルビートでブルージーに攻める「One Mint Julep」はアレキサンダーとロトンディの解釈の違いが面白いです。モダンなアプローチのアレキサンダーですが、ロトンディのブルースぢからの方に好感を持つのは僕だけでしょうか。
フリューゲルの音色がいい!バラードテンポで「Makin’ Whoopee」を唄い上げる歌心はモダンなフレージングの中にもブルースのDNAをしっかりと感じられます。そしてバカテク…。ファンズワースが引っ込み過ぎかな。
「Lonely Avenue」はストレートに3連系ブルース。結構ブルージーな展開にもかかわらず土臭くならないのが不思議です。
「Georgia On My Mind」は、まさに破壊と再構築のアレンジ。アップテンポでメロディーを細切れにして再び繋げて丸めて揚げたみたいな…。仰け反りました。
- What’d I Say
- Baby, It’s Cold Outside
- Brother Ray
- Cry Me A River
- One Mint Julep
- Makin’ Whoopee
- Lonely Avenue
- Georgia On My Mind
- Jim Rotondi(tp)
- Eric Alexander(ts)
- Peter Bernstein(g)
- Mike Ledonne(org)
- Joe Farnsworth(ds)
- Rec.2009.
- Positone Records