灼熱の魂

TOHOシネマズシャンテで観てきました。レバノン系カナダ人原作の戯曲の映画化です。双子の姉弟が母親の遺書に従って姉が父を探し息子は腹違いの兄を探して中東を旅するストーリーです。さらにイスラム教とキリスト教の内戦状態の中、母親は息子を産むわけですが、離ればなれになった、その息子を探す旅が、同時進行で描かれるわけで、合計3つの話しが進むので、舞台では表現しがたいですな。

キリスト教徒による虐殺を目の当たりにしてキリスト教徒でありながらキリスト教の独裁者に激しい憎悪を抱く母親の波乱の人生がキツイ。ここで長男の少年兵として拉致されての人生を入れれば4つのストーリーが進行していくのですが、映画ならではの表現だなぁと感心した次第です。姉が言葉の壁に苦しみながらも、歓迎されていない客である事に感づくレバノンの埃っぽい場面は「バベル」のモロッコ編みたいだなぁって思ってみたり。

「焼き尽くす」とか「焦土」を意味する「アンサンディ」という原題です。ラストは衝撃的な結末で、なかなかあり得ないのですが、文字通り内戦によって国土と人間の生活が破壊し尽くされていく悲惨さが心に沈んで、重い映画でした。未だに中東では、こんな戦いが繰り広げられていて、カナダやアメリカには同じような境遇の難民が沢山居るのだという事を思い起こさせてくれました。日本の戦争体験のある年寄りと同じように、そして、この映画のように悲劇を背負ったまま話さないで居る人達も、大勢居るのだろうな。世界に背を向けて埋めてくれと。

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50/50 フィフティ・フィフティ

TOHOシネマズ シャンテに「灼熱の魂」を観に行ったのですが電車が遅れて上映に間に合わなて…orz。しかし!コレも、とても観たいと思っていた映画だったので即チェンジして観てきましたよ。親友がガンになったら。生存率50%だからフィフティ・フィフティって題なわけですが深刻な題材を軽いコメディー風に作った作品です。

整理整頓。ゴミはキチンと捨てます。酒もたばこもやらない。健康のためにジョギング。車が来ない信号もきちんと守る。交通事故が怖いから運転免許も持っていない。という真面目な27歳の青年が5年以内の生存率が五分五分だと突然宣言されてしまうのです。かなりショックです。「(500)日のサマーimage」のアイツが主人公で、さらにヨワヨワしい感じです。まわりの仕事仲間や恋人は、腫れ物に触るような雰囲気で「がんばれよ」とか云うんだけどね…。親友(宇宙人ポールの声の人)だけが「50%?いい数字じゃねーか。ところでさ。飲みに行ってナンパしよーぜ」って感じなんだな。

抗がん剤投与とかガン治療ってキツイんだよね。ガン仲間?とのやりとりも軽妙な感じの中にも忍び寄る死の不安と一人では何も出来ない無力感を痛感する主人公です。恋人(此奴がホントに嫌な女)でさえ去って行く中、最高にお馬鹿で、普通に接してくるヤツが、実は最後まで付き合ってくれるかけがえのない友達だった。超クソ真面目ガン患者と、ちゃらんぽらんな友達のバディムービーで男同士の友情に泣けました。新年早々「宇宙人ポール」と「50/50」というオトコノコ映画にノックアウトされてしまった2012年の幕開けです。
(´-`).。oO(キャサリン可愛いかったなぁ。

  • 2012年01月13日のつぶやき
  • 15:03:23非常ボタンが蒲田川崎間の踏切で押されたらしくて緊急停車中。映画観に行こうと思ってたけど間に合うかな〜? (@ JR 京浜東北線 鶴見駅) http://4sq.com/Avbj6T
  • 15:11:54自動車が踏切でハマったらしい。動く気配がありません…。 (ノ ´ ▽ ` )ノ.:・ =┻┻┻ (@ JR 京浜東北線 鶴見駅) http://ht.ly/1vgY68
  • 15:22:56動き出したけど、間に合わないな…。 — ✄ —— 終了 —— ✄ — (@ JR 京浜東北線 鶴見駅) http://ht.ly/8rWbz
  • 15:56:55I’m at JR 山手線 有楽町駅 (有楽町2-9, 千代田区) http://4sq.com/xBhNLG
  • 16:06:30「灼熱の魂」に間に合わなかったので、「50/50」にしました。どっちも観たい映画だったから。 (@ TOHOシネマズ シャンテ) http://4sq.com/xNVBnM
  • 16:13:37とりあえずチケット買って麦酒飲むです。 (@ 食安 立ち飲み場) http://4sq.com/wSBUg3
  • 16:26:20向かいのダンスホールが懐かしいなー。まだあってホッとしたよ。
  • 19:02:5050/50面白かったよん。キャサリン可愛すぐる。(@ TOHOシネマズ シャンテ) http://ht.ly/8s3t3

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宇宙人ポール

109シネマズMM横浜で観てきました。「未知との遭遇」や「ET」とエリア51やロズウェル事件が、大好物なオタク系イギリス人のオッサン二人が本場アメリカのコミケに行くのですよ。矢追純一の UFO 特集を TV で見て育った我々日本のオサーンも、とっても楽しい訳です。50年間基地に幽閉されていたせいで、性格はすっかり典型的な不良アメリカ人だけど、姿はリトルグレイの宇宙人ポールが軍の施設を脱走して、その二人と一緒に逃げ回るお話。スピルバーグオマージュ映画です。カーチェイスは「激突」だし、「ジョーズ」の有名なラストも出てくるし、ラスボスはアノ方ですし、「スタートレック」や「エイリアン」まで出てきて SF 映画好きは萌えますよ。

FBI とキリスト教原理主義のおとーさんが宇宙人を悪魔だと思って、娘を取り返しに追いかける側の人達がイギリス人から見た怖いアメリカで、酒飲んでハッパ吸っている宇宙人ポールがイギリス人から見た楽しいアメリカの象徴って町山智浩氏がラジオで解説していましたが、なるほど!って感じ。宇宙人のくせに結構、義理堅いのにも泣かせます。その町山智浩氏が字幕監修をやっています。

基本コメディーで映画館全体が一緒に、こんなに笑った映画は久しぶりでした。が、オチのミステリー風どんでん返しもニクい感じ。で、ひねりが効き過ぎのラスボス役ですが、すぐ死んじゃうような、この映画に出たもんだ。「ホットファズimage」も最高だったし、サイモン・ペッグとニック・フロストのコンビは今のところハズレ無し。もう1回観に行きたいなと思いました。星3つ!ではなくてオッパイ3つ!ということで。

  • 2012年01月07日のつぶやき

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宇宙人ポール(サイモン・ペッグ、ニック・フロスト出演) [DVD]image

リアル・スティール

年末に109シネマズ川崎で観てきました。ロボットボクシングに挑戦する親子の物語。ダメオヤジと息子の葛藤とか、ダメロボットを鍛えて?勝ち進むとか、そんな感じの乗り越え系の映画でした。X-MENの、もみあげの人が父親なので、めちゃくちゃ強そうで怖かったのですが、そのダメっぷりの演技は良かったぜ。

ゴミ捨て場から拾ってきた2世代前の旧型ロボットは、父親に捨てられた息子と、オトナになり切れず天才ボクサーの過去を引きずっている旧世代のオヤジという2つの立場が投影されている訳で、観ていると生身の人間よりも何故かロボットに感情移入してしまうという不思議な状態でした。なので、親子二人でロボットをジャッキー映画風に訓練するシーンがもっとあれば、最後のロッキー風決戦に向かうカタルシスが倍増したのでは?ロボットだから鍛えなくてもプログラムすれば良いというツッコミありますw同じように親子の確執を描くのなら、息子を金で売るような金に汚いオヤジだけでなくて、圧倒的な力の差を子に見せつけて、子供にとって憎悪すら感じさせる星一徹並みの存在であってほしかった。X-MENだからそのまんまなのですが…。子供の出来が良すぎる。いい子過ぎるって事なんだよね。最初からメカに強いしさ。正論吐くしさ。そうそう。親子にとっての父性の欠落を、それぞれにもっとエグッて欲しかったんですよ。

ロボットにリング下から「立つんだーっ」とか、ロボットに「俺の真似をしろ」と説得したり、あり?って。ロボットから見える所でフリしてたら、相手にパンチは当たらない?なんて気になっちゃいましたけど。日本で活躍した極悪男子とかATOMというネーミングなんかでは、ドリームワークスチームのオタクっぷりはガチでした。男の子ってガキのころ超合金ロボで、こういう風に遊んでいたよな−。首飛ばしたり腕を引っこ抜いたり叩き潰したり。ただ、その空想だった世界観をリアルな映像に置き換えた感じで、元くそガキ男子と、ロッキーと、あしたのジョーと、ジャッキー好きには、とても興味深い映画でした。

映画の前に食った肉も旨かったです。

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  • 2011年12月14日のつぶやき