カールじいさんの空飛ぶ家

去年観た。(最近色々あるんよ…)109シネマズMM横浜で観ました。

3D は、やっぱり IMAX なのかな…。ここのメガネはちょっと痛くて疲れたな。画面もちょっと暗い感じがしました。3D は劇場の環境で左右される部分が多いですね。

アニメとしての表現はピクサーらしくて満足しています。WALL・Eの爆煙表現からボルトの犬っぽさ。進化しています。「リス?」のバカっぽさは笑えます。そして大量の犬投入場面では、ちゃんとディズニーのワンちゃんモノにオマージュしているし、諸方面への気配りも忘れないのでした(笑)。トリはロードランナーだしね。

ストーリーはグラン・トリノの怒れる老人成長物語な訳です。相棒の子供もアジア系ですし。クリンスト・イーストウッドというスターではなく、ただのアニメの頑固じじいに感情移入できるのか?というハードルを冒頭の回想シーンで見事にクリアしています。このシーンだけでこの映画は成り立っているといっても過言ではない。いきなり涙腺ゆるむツカミで美しい映像に絶句です。この構造にはやられました。

最初に上映される短編アニメーション「晴れときどきくもり」でも暗示されていて空に浮かんでいる雲の中に命が生まれ、ダメなコウノトリが頑張っているという奮闘記がインプットされ、老夫婦の若かりし日々をサイレントムービーで観ると、すすり泣きが会場のあちこちから聞こえるわけです。

ラッセルの描き込みが浅いのは焦点をジジイに集約させるためかな。いい味出していると思うんだけどなぁ。一応、家庭問題で寂しい現代っ子が自立するという着地点は用意されていますがね。妻との思い出に固執していた家を捨て、自分の憧れだったヒーローとも決別し、未来に目を向けることが出来るようになった老人っていうのも、よく考えると寂しい感じがするのは僕がまだアマちゃんだから?

さっきまで車椅子だったのに、いきなり元気に走り回るとか、そもそも風船で家が土台を引きちぎって浮くのか?とか、ま、アニメですからツッコミなしでね。最初から血が出る、結局人殺しという御法度破りはどうかなぁ…。

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カールじいさんの空飛ぶ家 [DVD]image

恋はデジャ・ブ

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節分です。この時期に観たい名作映画。町山智浩のアメリカ映画特電で紹介されていた映画でポッドキャストではニーチェにまで話が広がっていてとても興味深く観ました。ビル・マーレーらしい軽いタッチの人物像。自己中心的で出世しか考えていない嫌な TV キャスター役です。主人公だけが田舎町の2月2日(グラウンドホッグデーの祭日)から抜け出せないタイムスリップもの。

一日が終わると次に日には全てご破算、また同じ一日が始まるので、なんでも出来ちゃう。そうなると男の考えることは人格暴走とエロなことなのは当然。で、彼の追いかけるプロデューサーの女性は、なかなか振り向いてくれない。何回も何回も(何日も何日も)アタックしてもふられちゃう。絶望して自殺しようにも死ぬことも出来ずにまた同じ1日が始まってしまう。考えただけで気が狂ってしまいそう。同じ日を脚本上は三千回繰り返しているらしいです。ひぇ〜。

ラブコメの裏にオッサンの成長物語と今を全力で生きる永劫回帰思想が語られている…らしい。真の教養と人格形成を成し遂げた彼は、まさに無敵状態でモテモテなわけです。そんなに深読みしなくてもとても楽しめました。

空気人形

これも去年観たのですが書くの忘れていた。というかサボっていたのだ。この日はくもりときどきミートボールからチネチッタ川崎に移動して映画2本ハシゴしました。

是枝裕和監督は「誰も知らない」と「歩いても 歩いてもimage」を観ています。この空気人形は「ゴーダ哲学堂image」の一編のマンガが原作。大竹まこと ゴールデンラジオ!で(この日大竹まことは夏休み)で監督のインタビューが聴けます。

監督も言っているとおり、板尾が役にハマっていて怖いくらいでした。この気持ち悪さときたら強烈です。これ以来 TV などで見かけると引いてしまう始末…。登場人物全員が空虚を抱えた空気人形である事に気づくと、何故か暖かい気持ちになってしまいます。我々現代人は誰もが誰かに満たして欲しい空虚を抱えているのだなと。人類補完計画!

この映像の透明感も独特でした。リアリティを求めてはイカンのは分かっていますけど、ハシゴから落ちて穴が開く前に、もっとぶつかったり引っかかったりしてないか?とかツッコミどころは沢山あるわけですが、ヒロインのペ・ドゥナが可愛すぎて困る…。

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くもりときどきミートボール

年末に観に行ったのですが…。IMAX3Dで観たかったので、109シネマズ川崎まで出張りました。というのもライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフルで川崎IMAXシアターで観るべし!と激押しされていたので初めて3D体験しました。あの赤と緑の眼鏡をかけて…ではなく、今はカッコイイでかいウルトラセブン形状のメガネをかけて鑑賞しました。ビックリしたー!

オタク脱却物語な訳ですが、ヒロインもオタッキーの眼鏡女子で「眼鏡かけていた方がカワイイよ」という台詞に「眼鏡萌えの真髄心得ているねーおぬし!」と感心。空から食べ物が降ってくる荒唐無稽な世界を表現するのに妙にリアルになりすぎない 3D 描写がうまいこといっているなぁと思いました。

物語は引きこもり理科系男子の成長が自ら開発した空中食料工場に行って帰ってくるだけのベタな道筋ですが、アニメとして空想の世界を表現するリアリティのギリギリの線をうまいこと越えそうで超えない具合が絶妙でとても良かったと思います。食べ物を扱うので完全にリアルを求めると、ただゴミが降ってくるだけになってしまうと思うので。ポップな表現が合っていたかなぁと思います。

IMAX3Dは良いよー!疲れないし。出来れば真ん中の中くらいが観やすいと思います。これから 3D 上映は、ココにしようと思います。

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くもりときどきミートボール コレクターズ・エディション [DVD]image